東北大大学院工学研究科は12日、東北大と北大が共同開発した超小型衛星「雷神2」の高感度魚眼カメラで撮影した地球の画像を公開した。5月24日の打ち上げ以降、試験運用は順調に進んでおり、7月にも本格的な観測を始める。
雷神2は地球の上空約640キロを90分ほどで周回している。姿勢を正常に制御できており、打ち上げの1週間後には日本列島付近の雲画像を鮮明に捉えた。
衛星は一辺50センチの立方体で重さ約43キロ。超小型衛星としては世界最高クラスの高解像度望遠鏡、遠赤外線カメラなどを搭載し、落雷に伴う放電発光現象や積乱雲、地上の植生分布を観測する。
2009年1月に打ち上げた1号機の「雷神」は、電源のトラブルで観測不能になった。開発した工学研究科の吉田和哉教授は「1号機が達成できなかった夢に近づいてきた。今度こそ科学観測の成果を出したい」と話している。