東北学院大(仙台市青葉区)のサッカー部員3人がアルバイト先のファストフード店で、別の部員や硬式野球部員ら約30人に、正規より8割ほど安い価格で食事を提供していたことが26日、大学への取材で分かった。
大学によると、サッカー部の男子学生3人は昨年10月から約2カ月間に複数回、勤めていた仙台市内の店でレジや券売機を不正に操作し、商品を正規の約2割 の価格で販売した。売り上げが合わないことに気付いた店の運営会社が、2月に大学へ通報。店の被害は数万円で、大学職員が直接謝罪に訪れ弁済した。店側は 「学生の将来がある」として被害届は提出しなかったという。
大学は3人を停学処分とし、サッカー部を2月から1年間の対外試合禁止と、半年間の活動停止処分とした。部長は辞任した。3人は「真面目に部活に取り組んでいた仲間に迷惑を掛けて大変申し訳ない」などと反省しているという。
同大の調査で、サッカー部員20数人が8割引きで食事を提供されていたことが3月末までに判明。さらに今月22日には、野球部員も同じように不正な値引きを受けていたことも分かった。
野球部は翌23日から活動を自粛し、28、29日に開かれる仙台六大学野球春季新人戦の出場を辞退した。部長と監督は辞任届を提出したが、学長預かりとなっている。大学の担当者は「学内の全部活動に調査対象を広げ、全容を解明したい」としている。
サッカー部は1956年に全日本大学サッカー選手権で準優勝し、00年以降も全国大会に出場した強豪。野球部は仙台六大学リーグで東北福祉大と毎年優勝争いをしており、西武の岸孝之らプロ野球選手も輩出している。