東北整備局/魅せる映像で人材確保促進、ユーチューブに建設業PR動画アップ

東北地方整備局が建設産業の将来を担う人材の確保で広報活動に力を注いでいる。北上川下流河川事務所は、事務所の若手職員と直轄工事を指揮する現場代理人が登場する動画を作成。動画投稿サイトのユーチューブにアップし、迫力のある映像などで最前線で奮闘する技術者の姿や仕事のやりがいを紹介している。
 東北整備局が民間と協力し人材確保のPR動画を作ったのは初めて。リーダー役を務めたのは東北整備局吉田川緊急治水対策出張所の三浦英晃所長。建設業の果たすべき使命や役割を多くの人に知ってもらうことが「携わる人々のやりがいや誇りにつながる」との思いが胸中にあった。
 動画のタイトルは「『明日のために』~未来の働き方にチャレンジ~」。北上川下流河川事務所の管理課に在籍していた佐々木遥香さん(現在は新庄河川事務所工務第二課)と、吉田川二子屋地区外掘削護岸工事で現場代理人を務めた丸本組(宮城県石巻市)の高橋哲矢氏が登場し、現場での苦労や工事で活用したAIなどの先端技術を紹介している。
 若者の興味を引くには迫力のある映像が不可欠になる。吉田川流域が白鳥の越冬地で有名なことから、マイクロドローンで渡り鳥目線の迫力ある映像を撮影。ムービーカメラで撮った現場見学会の様子なども盛り込むなど、細部にわたって工夫を凝らしている。
 撮影と編集は丸本組とトライポッドワークス(仙台市青葉区)が担当。丸本組の山岸邦亘技術支援部長によると、「テロップだらけの作品ではなく映像で魅せることに気を使った」という。動画づくりを「発注者と本音で意見交換できたことが一番の収穫だった」と述懐する。「建設業の大切さややりがい、かっこよさが詰まっている」と関係者の評判は上々で、「モチベーションがアップする動画だ」「ドローン映像が圧巻だった」といった感想もあるそうだ。
 「貴重な経験ができた。映像を家族に見てもらい感動を共有した」と話すのは出演者の佐々木さん。高橋氏も「普段見せることがない仕事をする姿を子どもや両親に知ってもらうことができ良い経験になった」と語る。PR動画は情報の発信側にとっても自分自身を振り返る良い機会になっている。
 将来を担う人材をどう育てるかは官民に共通する大きな課題。民間では産業間、企業間で人材の獲得競争が年を追うごとに熾烈(しれつ)になっている。「本省からの依頼もあり動画を作った。学生に見てもらうなど活用策を探りたい」と東北整備局企画部の岩渕敦総括技術検査官は意気込む。建設業のイメージを高めるリブランディング、“映える”映像や画像など広報活動のキーワードは多種多彩。型にはまらず心に響く情報を届け続けるには、柔軟な発想と行動力が求められていると言えそうだ。
 動画視聴は国土交通省北上川下流河川事務所チャンネル(https://www.youtube.com/watch?v=EiStxBAvpGo)へ。

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