東北新幹線14日全線再開 福島―仙台「20日前後」から早まる

JR東日本は5日、宮城、福島両県で最大震度6強を観測した3月16日の地震の影響で一部区間が運休している東北新幹線について、14日に全線で運行を再開すると発表した。設備被害が集中し最後の不通区間となった福島―仙台の復旧作業が順調に進み、20日前後との見通しを前倒しした。

 当面、郡山―一ノ関は徐行運転が必要で、運転本数は通常の8~9割程度に抑えた臨時ダイヤで運行する。現在は5~6割程度で運転している。ダイヤの詳細は今週中にも公表する。

 深沢祐二社長は5日の定例記者会見で、最高速度が戻る時期について「再度点検し、直していく部分がある。今のところ(5月の)連休明けにならざるを得ない」と述べた。脱線事故の原因究明に向け、国の運輸安全委員会の調査に協力し、必要な対策を検討するとの認識も示した。

 JR東によると、被災した高架橋の柱や橋脚の計20カ所のうち、福島―白石蔵王の2カ所で鉄筋が露出するなどの損傷があった。設備の損害は150億~200億円、運転見合わせに伴う減収は120億円を見込んでいる。

 東北新幹線は、3月16日深夜の地震で白石市の白石蔵王駅近くを走行していたやまびこ223号(17両編成)の16両が脱線し、5人が軽いけがをした。当初は那須塩原―盛岡が運休。順次復旧し、2日に郡山―福島、4日に仙台―一ノ関で運転を再開した。

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