東北景況感5期連続悪化 20年度上期、コロナ長期化で停滞

東北経済連合会は2020年度上期(4~9月)の会員企業アンケート結果をまとめた。景況感が「上昇」と判断した割合から「下降」を引いた業況判断指数(BSI)は、前回調査(19年10月~20年3月)に比べ5.4ポイント低下のマイナス48.3。新型コロナウイルスの影響で経済活動が停滞し、BSIは5期連続マイナスとなった。
 リーマン・ショック時の水準(マイナス76.9)までは落ち込まなかったものの、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故が起きた11年以降では最も低い。
 製造業は前回のマイナス45.7からマイナス50.0に低下。11業種のうち、化学・医薬品や窯業・土石など6業種が悪化した。非製造業はマイナス41.2からマイナス47.2に下がった。6業種のうち、運輸や鉱業など4業種が不調だった。
 20年度下期(10月~21年3月)の全産業の見通しは、上期実績比21.8ポイント上昇のマイナス26.5。東経連の担当者は「新型コロナの影響が一巡し、経営環境が最悪期を脱したと見る動きがある」と分析した。
 新型コロナによる事業活動への影響(複数回答)も聞いた。「売り上げ・受注減少」が66.4%と最も多く、「イベントや会議などの中止、延期」(60.7%)、「出張や商談の禁止」(56.4%)が続いた。
 国に強化してほしい施策(複数回答)は「ワクチン・治療薬などの研究開発」が67.8%で最多。「検査体制の強化」(27.0%)、「緊急経済対策」「雇用維持支援策」(ともに24.6%)を引き離した。
 調査は10月、東北6県と新潟県の会員企業のうち、電気や金融などを除く293社に実施。211社(72.0%)から回答を得た。

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