東北景況感 過去最悪 4~6月期 コロナ禍でマイナス51.9

東北財務局が11日まとめた東北の4~6月期の法人企業景気予測調査によると、景気が「上昇」と答えた企業の割合から「下降」の割合を引いた企業の景況判断指数(BSI)は、前期比30.1ポイント低下のマイナス51.9となった。新型コロナウイルス感染拡大で景況感は急速に悪化。リーマン・ショック後の2009年1~3月期(マイナス51.8)を下回り、04年度の調査開始以降で最悪となった。
 悪化は3期連続で、下げ幅は過去最大だった。調査は5月15日時点。財務局の担当者は「新型コロナがさまざまな経済活動に影響して厳しい状況。緊急事態宣言の解除で活動のレベルは引き上げられており、動向を注視する」と説明する。
 製造業は40.8ポイント低下のマイナス57.1で、09年1~3月期(マイナス73.4)に次ぐ過去2番目の低水準。新車の需要が低迷し、輸送用機械が96.8ポイント低下のマイナス85.0となった。
 自動車向けの鋼材や部品生産も減り、鉄鋼が114.3ポイント低下してマイナス100(全社が下降と回答)、金属は91.1ポイント低下のマイナス80.0といずれも大きく悪化した。
 非製造業は25.0ポイント低下し、過去最悪のマイナス49.4。外出自粛に伴い宿泊・飲食は52.2ポイント低下、娯楽は45.5ポイント低下と、ともにマイナス100となった。
 不動産は51.2ポイント低下のマイナス63.3で、入居テナントの賃料収入減などが影響した。一方、食料品など巣ごもり需要があった小売りは7.8ポイント上昇し、マイナス26.7に改善した。
 県別は表の通り。全県で悪化し、岩手、宮城は過去最悪。規模別は大企業が26.6ポイント低下のマイナス39.0、中堅企業が31.8ポイント低下のマイナス53.8、中小企業が30.3ポイント低下のマイナス55.1だった。
 7~9月期の見通しは全産業が29.8ポイント上昇のマイナス22.1、製造業が38.5ポイント上昇のマイナス18.6、非製造業は25.6ポイント上昇のマイナス23.8を見込む。
 調査は対象754社のうち696社(92.3%)が回答した。

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