プロ野球東北楽天がパ・リーグを制し、日本一となった場合、宮城県内への経済波及効果が少なくとも84億5800万円に上ることが18日、七十七銀行の調べで分かった。商店街単位のセールや優勝パレード分は積算しておらず、同行は「実際にはさらなる金額の積み上げが期待できる」と分析している。
今回の試算額を加算した年間の経済効果は224億円。2010~12年シーズンの平均値(約139億円)の1.6倍に膨れ上がる。クライマックスシリーズ(CS)に初進出した09年の162億円(宮城県試算)も大きく上回る見通し。
日本一効果の加算分のうち、直接効果は52億3700万円と見込んだ。
CS、日本シリーズのホーム開催を最大10試合と想定し、観客の入場料、グッズ購入などの消費額を33億7000万円と算定。チームが上位に定着した6月以降の観客増加分(16万9000人)の消費額は13億7800万円とはじき出した。
仙台市内の三つの百貨店で優勝セールが行われた場合、売上増加額を計4億8900万円と試算した。これらに誘発された生産活動などの波及効果は32億2100万円に上ると推計した。
業種別に見ると、ホテル、飲食業などのサービス業が34億300万円で最多。以下、製造業11億6100万円、運輸業9億2900万円、商業8億900万円などが続いた。
調査では、数値の算出が難しいスーパーや商店街のセール、優勝パレードによる消費増加分の積算は見送った。
同行調査課は「経済効果はさらに広がるはずだ。楽天の日本一は、宮城県内の経済底上げにも大きく貢献するだろう」と説明した。