仙台管区気象台は28日、3、4月に東北の太平洋沖で観測した親潮の面積が、1982年の統計開始以降、最も小さかったと発表した。栄養分を多く含む親潮は豊かな漁場を育むとされ、気象台は「三陸の漁業に影響する可能性もある」と指摘している。
気象台によると3、4月に太平洋沖で観測した親潮の平均面積(深さ100メートルの水温5度以下の領域)は4万7000平方キロ。平年の35%にとどまり、過去最小だった2016年3、4月の7万8000平方キロを大きく下回った。
千島列島に沿って南下する寒流の親潮は例年11、12月ごろに面積が最小となり、3、4月ごろに最大化する。気象台によると、今年は三陸沖に暖かい水の渦が発生し続け、親潮が流入しにくくなった。暖水の渦の要因ははっきり分かっていない。
宮城県水産技術総合センター(石巻市)によると、親潮の変化でオキアミが不漁となっており、ほかの魚種への影響も懸念されているという。