東北産「アクア」初の首位、産業集積に弾み 10月新車販売

トヨタ自動車東日本(宮城県大衡村)が岩手工場(岩手県金ケ崎町)で全量生産を担うトヨタ自動車の小型ハイブリッド車(HV)「アクア」が、月別の車名別新車販売台数で初めて国内首位となったことが6日、日本自動車販売協会連合会などのまとめで分かった。10月の台数は2万4192台で、16カ月連続トップだったトヨタのHV「プリウス」を抜いた。
 アクアは昨年12月、トヨタが東日本大震災からの復興支援と位置付けて生産を始めた。9月のエコカー補助金終了後も受注は好調。トヨタが国内第3の生産拠点と位置付ける東北の産業集積に一段と弾みがつきそうだ。
 軽自動車も含めた10月の国内販売台数上位10車種は表、アクアとプリウスの販売台数推移はグラフの通り。
 プリウスがエコカー補助金終了で9月より約4000台減ったのに対し、アクアは約2000台増えた。高い燃費性能(ガソリン1リットル当たり35.4キロ)と価格(169万円から)が人気につながっているとみられる。
 昨年12月の発売後の累計は22万185台に達した。トヨタによると、11カ月での20万台突破は、最近では現在のプリウスの発売10カ月に次ぐ記録という。
 東北での販売も好調が続いている。10月の地域別台数はまとまっていないが、既に今年4~6月と9月にプリウスを上回り、車種別トップとなった。
 生産台数は輸出分も含め1カ月に約3万5000台規模で推移。「カローラ」を製造する宮城大衡工場(大衡村)を合わせたトヨタ東日本の東北での2012年の生産台数は55万台前後に達する見込み。
 岩手工場は多数の受注残を抱えており、アクアの国内販売首位は当面続くとみられる。トヨタ東日本は「商品力が多くの消費者に受け入れられていることを自信としたい。東北の復興の一助となれるように、今後もいい車づくりを追求する」としている。

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