山形市七日町のピザ店フラムが地元企業と連携し、宮城と山形産の小麦を使った冷凍ピザを商品化した。輸送費の高騰や円安の影響でイタリア産ピザ用小麦の取引価格が上昇する中、値段が比較的安定する東北産を使いコストを同程度に抑えた。本場の食感を再現しつつ、日本人好みの風味を実現したという。
日本人好みの風味実現
ピザは直径約20センチのマルゲリータで645円。イタリア産と同じ硬質の宮城産「夏黄金(なつこがね)」を50%、山形産「ゆきちから」と北海道産「きたほなみ」を各25%配合した。ゆきちからの風味をベースに夏黄金でキレのある食感を出し、きたほなみで生地に伸びを加えた。
小麦粉は小川製粉(東根市)から仕入れ、イタリア食材輸入卸の佐勇(東京)の山形工場(米沢市)が製造を担当した。トマトソースやモッツァレラチーズなどはイタリア産を使った。
フラムの近藤隆幸代表(44)は「東北の小麦を生かし、本場の風味を届けたかった。生地は上品で優しい日本人に合う味に仕上がった」と手応えを語る。
フラムは2018年開店。新型コロナウイルス禍による売り上げ減を機に冷凍ピザの販売を思い立ち、昨年11月から小麦の配合など試作を重ねた。店舗で提供するピザは今年1月から、東北産主体の生地に切り替えている。
冷凍ピザは山形市嶋北のフラムストアや山形、長井市のスーパーおーばんの4店舗で順次販売し、フラムのECサイトでも取り扱う予定。連絡先はフラムストア023(665)5445。