東北発、技術の粋に熱視線 東京モーターショー

東京ビッグサイト(東京都江東区)で20日に開幕した東京モーターショーでは、初参加したトヨタ自動車東日本(宮城県大衡村)、日大工学部(郡山市)のブースが来場者の注目を集めた。遊び心あふれるデザインや次代を見据えた展示車両が、東北の高い技術力を物語った。
 トヨタ東日本は「東北から世界へ」がテーマ。全量生産する小型ハイブリッド車(HV)「アクア」を大胆にデザインし直し、オープンカーから高級車タイプまで全く異なる4台に仕上げた。
 会場で説明に当たった同社の葛原徹副社長は「展示車両は『こんな形もあるぞ』というわれわれからの提案。顧客の反応を得る重要な機会となる」と意気込んだ。
 日大工学部は、高齢者向けの1人乗り電気自動車(EV)を紹介した。福島県内の産学官が力を合わせ、3年がかりで開発した労作だ。
 安全性を確保するため、センサーなどで走行状況や周辺環境を常時把握する。車両が「事故」と判断した場合、異常を知らせるメールを事前に登録した家族らに自動送信する機能を持たせた。
 開発を主導した日大工学部の西本哲也教授は「東日本大震災で中断しかけたが、完成にこぎ着けた。地元企業を巻き込み、福島県内で量産したい」と語った。

タイトルとURLをコピーしました