東北笑った 野球の底力体感 被災地、復興への「励みに」

東北楽天が初の日本一を決めた3日、東日本大震災で傷ついた被災地に歓喜の輪が広がった。震災以来、「がんばろう東北」を合言葉に勇気と感動をもたらした選手たち。熱戦を見詰めた被災地の人々は「今度はこちらが東北の底力を見せる番だ」と復興への決意を誓った。
 宮城県石巻市中央2丁目のみやぎ生協文化会館アイトピアホールのパブリックビューイング(PV)には約100人の市民らが駆け付け、メガホンをたたいて球場と一体となった声援を送った。
 主催団体の一つ、NPO法人石巻スポーツ振興サポートセンターの松村善行理事長(69)は「東北楽天に負けず、復興に向け一つになって頑張ろう」と叫び、喜びを爆発させた。
 宮城県気仙沼市南ケ丘1丁目の会社員久保和枝さん(48)は「球団創設9年目でようやく頂点に輝いた。こんなにうれしいことはない」と喜んだ。
 創設以来、応援を続けてきた。津波で内の脇3丁目にあった自宅は全壊した。ユニホームなど応援グッズは流されたが、東北楽天の試合に勇気づけられてきた。
 「明らかに見劣りする戦力で創設された楽天の日本一は、ゼロからの出発となる被災者の励みになる」と笑顔を見せた。
 不動の3番としてチームを引っ張った銀次選手の出身地、岩手県普代村。沿岸部の人口約3000の村から初めて誕生したプロ野球選手の活躍に、地元は沸き立った。
 母方の祖父畠山保男さん(66)は銀次選手に野球を教え、両親が離婚した後は父親代わりだった。地元で「ギンじいさん」と呼ばれ親しまれる。
 「今季はギンら若手が育ち、チームは一生懸命戦った。来季はその若手が中心選手に成長し、連覇を果たしてほしい。若手が伸びてこそチームの黄金期が来る」とさらなる飛躍に期待を込めた。
◎きょうから優勝セール/東北の百貨店など
 プロ野球東北楽天が日本一に輝いたのを祝い、東北の百貨店、量販店などは4日から記念セールを開催する。店ごとに袋詰め商品を用意したり、背番号にちなんだ割引き販売を実施したりする。
 仙台市内の百貨店では藤崎が4日間のセールを開く。目玉商品として東北楽天カラーをイメージしたルビーの指輪(1001万円)、勝利の輝きを象徴したダイヤモンド(77万円)各1個を限定販売する。仙台三越は3日間、さくら野百貨店仙台店は5日間の日程で展開する。
 大型商業施設は仙台市の仙台パルコと仙台フォーラスが7日間を計画する。ショップごとにファッション、雑貨などを特別価格で売り出す。スーパーではダイエー仙台店が3日間実施する。
 東北地区ではイオンがスーパーセンター、イオンバイクを含む71店で3日間のセールに入る。エスパルは仙台、福島、郡山、山形の4店で7日間実施する。

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