東北薬科大、来年4月に大学病院開業 東北厚生年金病院を取得

 東北薬科大は11日、東北厚生年金病院(仙台市宮城野区)を所有する厚生労働省の独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)と、病院の土地建物を取得する売買契約を結んだ。病院スタッフもそのまま引き継ぎ、来年4月に「東北薬科大学病院」として開院させる。
 薬科の単科大が総合病院を所有するのは全国で初めて。付属病院化によって、2006年度に6年制に移行した薬学教育の充実を図る。
 契約額は宿舎の土地建物も含めて、7億7330万円。医療設備は別に譲渡を受ける。
 大学は、病院職員685人の希望者全員をいまの雇用条件のまま引き継ぐ。東日本大震災で被災した病棟は、今後10年程度をめどに現在地で建て替えるとしている。費用の100億円超は自己資金で賄う方針。
 東北薬科大学長も務める高柳元明学校法人理事長は大学で記者会見し、「薬学教育の6年制移行を機に病院取得の検討を始めた。地域医療に貢献しながら、実務実習のモデルとなる病院をつくりたい」と語った。
 同席した東北厚生年金病院の田林晄一院長は「病院の自立につながり、医療研究の促進も期待できる。大学の意向に協力したい」と話した。
 東北薬科大はことし9月、厚労省に同病院譲渡の要望書を提出。同省は11月に譲渡候補先に同大を選んだ。RFOは(1)病床や診療科の維持(2)地域医療支援病院や災害拠点病院の指定継続-などの条件を最低10年間は満たすよう求めた。
 東北厚生年金病院は診療科21、病床数466床で、県の災害拠点病院やがん診療連携拠点病院に指定されている。

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