東北観光機構会長にJR東・清野氏で調整

東北6県と新潟県の官民でつくる東北観光推進機構が、高橋宏明会長(74)=東北経済連合会会長、東北電力会長=が6月の改選を機に退任し、後任の会長に 清野智JR東日本会長(67)が就く方向で最終調整に入ったことが27日分かった。機構トップを東経連会長以外が務めるのは、2000年に発足した前身の 団体時代を通じても初めて。
東北を訪れる旅行者数は東日本大震災前の水準に回復しつつあるものの、国内で増加が続くインバウンド(訪日外国人客)は震災前の7割程度に伸び悩み、官民を挙げた対策が急務となっている。
トップ交代には、前JR東日本社長として首都圏を含む観光市場全般に精通する清野氏を起用し、インバウンドの誘致推進に向けた組織体制を強化する狙いがあるとみられる。会長人事は6月の総会を経て正式決定する見通し。任期は2年。
高橋氏は10年6月に会長に就任。震災後の観光復興や東京電力福島第1原発事故に伴う風評被害の払しょく、「東北ブランド」を掲げてインバウンドのトップセールスに力を注いだ。6月に東北電会長を退き相談役に就くことが内定している。
清野氏は仙台市出身、東北大卒。1970年国鉄入社。JR東日本東北地域本社総務部長、副社長などを経て06年から12年まで社長を務め、東北新幹線東京-新青森間全線開業や輸送網の震災復旧などに取り組んだ。
機構は00年発足の「東北地域国際観光推進協議会」が前身。03年に「東北広域観光推進協議会」に改組、07年に「東北6県観光推進協議会」と統合し現体制となった。15年3月現在の会員は115団体。

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