東北道で無料化実験 宮城・富谷―青森の夜間トラック対象

 2011年度の高速道路の無料化実験について、国土交通省が決定した計画案の全容が7日、判明した。夜間のトラックなどを対象に、青森市の青森東インターチェンジ(IC)―青森ジャンクション(JCT)の青森道と、青森ICから宮城県富谷町の富谷JCTまでの東北道、九州道の鳥栖IC(佐賀県)―鹿児島IC(鹿児島県)など5区間の計約1500キロを6月から12月まで無料化する。時間帯を問わず全車種を無料とする区間として、秋田道の北上JCT(北上市)―秋田中央IC(秋田市)、大分道の大分IC―日出JCT(大分県)など6区間の計約330キロを新たに追加し、6月から来年3月末まで実施する。
 現在、全車種を対象に実験中の37路線50区間の総延長は約1650キロ。追加距離は予算の制約で10年度の約2割にとどまる。50区間の実験は3月末までを予定していたが、満1年となる6月下旬ごろまで延長。その後も実施するかどうかは渋滞状況や地元自治体の意向を確認して判断するが、大半は継続される見通し。
 計画案は7日の国交省政務三役会議で了承された。9日の民主党国土交通部門会議で提示、正式決定する。
 夜間のトラック無料化実験は、高速道路の利用促進や物流コスト削減の効果検証が目的。距離が最も長いのは北陸道全線の新潟中央JCT(新潟県)―米原JCT(滋賀県)と、これに接続する磐越道の新潟中央JCT―郡山JCT(郡山市)の計約620キロ。
 対象車種は中型車以上のETC搭載車に限定する。無料時間帯は原則として午後10時から翌日の午前6時までとする方向。実施期間はスリップ事故が起きやすい冬季を避け、半年間とした。
 全車種の無料化実験が追加されるのは、秋田道や大分道の一部のほか、米子道の落合JCT(岡山県)―米子IC(鳥取県)、宮崎道全線のえびのJCT―宮崎IC(宮崎県)、今秋に開通予定の道東道占冠IC―夕張IC(北海道)、今夏に開通する予定の舞鶴若狭道小浜IC―小浜西IC(福井県)。
 ドライバーの利便性を考慮し、現在無料化実験を実施中か、無料の自動車専用道路に接続している区間を選んだ。自動料金収受システム(ETC)を利用するか現金払いかを問わず無料とする。

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