東北電、夏の供給めど 猛暑でも余力6%超

東北電力は17日、7~8月の電力需給見通しを発表した。2010年並みの猛暑となった場合でも企業や家庭の節電協力を得ることで、電力不足に陥らない見込み。東日本大震災などで被災した施設の復旧と火力設備の効率的な運用で、原発が停止したままでも夏の需要期を乗り切れると判断した。
 需給見通しはグラフの通り。「猛暑時」と、過去10年の記録を平均した「平温時」を予測した。最大需要には、アンケートを基に推計した利用者の節電効果(64万キロワット)を織り込んだ。
 猛暑時の供給予備率は、7月が6.0%、8月が7.5%。平温時の予備率は7月が12.8%、8月が14.3%となり、安定供給に最低限必要とされる3%を上回った。
 供給力では、第二沼沢発電所(福島県金山町、46万キロワット)など新潟・福島豪雨(11年)で被災した水力発電所の大半が復旧。主力の火力も、ピーク時を避けた定期検査実施や緊急設置電源の継続稼働で、8月の供給力は13年ピーク時より51万キロワット多い1553万キロワットを確保した。
 ただ火力発電は高稼働が続いており、東北電は「予期せぬトラブルで需給が逼迫(ひっぱく)する恐れはある」と説明。引き続き利用者に節電への協力を求める方針。
 一方、女川原発(宮城県女川町、石巻市)と東通原発(青森県東通村)は震災後の停止が続く。東北電は女川を16年度以降、東通を15年7月に再稼働させる計画を示している。

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