東北電、風力発電受け入れで自治体枠新設 年度内に募集開始

 東北電力は16日、送配電網に受け入れる風力発電の募集で、新たに自治体の再生エネルギー導入施策に貢献できる事業者などを対象とした「自治体風力」枠(出力計20万キロワット程度)を設けると発表した。早ければ年度内に募集を始める。このほか本年度は一般の枠として過去最大の計30万キロワット程度を募集する。いずれも2012年度以降に発電を開始する事業者が対象となる。
 東日本大震災後、東北の自治体が相次いで再生可能エネルギーの導入を検討していることに対応する。自治体と連携して進める事業などを想定している。
 募集する20万キロワットの内訳は、出力変動を抑制できる蓄電池併設型が計18万キロワット程度、通常型の中規模風力(出力20キロワット以上2000キロワット未満)が計2万キロワット程度を予定する。
 一般枠では、風力発電の受け入れ拡大に向けた実証試験用の大規模風力(出力2000キロワット以上)計20万キロワットを初めて募集する。遠隔指令で出力を抑制する装置の導入が必要。試験は2012年度以降に東京電力、北海道電力と共同で行う。
 他の一般枠は通常型の大規模風力が計3万キロワット、中規模風力が計2万キロワット、蓄電池併設型が計5万キロワット。
 東北電は12月16日に仙台市青葉区の本店ビルで説明会を開く。一般枠の募集期間は来年1月26日までで、同11月ごろまでに候補業者を決める方針。自治体風力の募集に関するスケジュールは未定。
 風力発電は気象条件で発電量が変動し、導入量が増えると送配電網の周波数調整などが難しいため、東北電は受け入れに上限を設けている。本年度の募集で現在の上限118万キロワット分が埋まる見通しだが、東電などとの実証試験などを通じた技術開発で、20年度ごろに上限を200万キロワット程度まで引き上げることを目指している。

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