東北電「普及開発費」3.4倍増に集中砲火 値上げ巡る審査会合で委員から「衝撃的だ」

東北電力が4月の値上げを計画する家庭向け電気料金の改定案に関する経済産業省の審査会合が15日あり、料金メニューの周知や節電要請にかかる「普及開発関係費」を現行原価の3・4倍に増やした東北電が、複数の委員から「集中砲火」を浴びる一幕があった。

 「ここまで普及費を盛るのは衝撃的ですらある」。委員の一人は東北電の普及開発費に驚きを隠さなかった。申請額は25億7500万円で、同じ4月の値上げを計画する他電力4社の5200万~6億1900万円との隔たりは大きい。

 料金審査要領は普及開発費に関し、料金メニューの周知など公益的な情報提供にかかる費用で「厳に必要なもののみ原価に算入することを認める」と定める。

 東北電の申請額の内訳は料金メニューの周知費用が4億2300万円と、現行原価100万円の423倍を計上した。委員は「大幅な値上げの周知にはコストがかかる、だからその分値上げする、そんな説明が受け入れられるか」と批判。他の委員も「やり過ぎという気がする」と指摘した。

 東北電は「特設サイトを設け、値上げの説明を丁寧にしている」などと理解を求めたが、厳しい査定は避けられないとみられる。

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