東北電が再生エネ新会社設立へ 事業強化へ向けグループ再編

 東北電力は27日、再生可能エネルギー発電事業の強化に向けた企業グループ再編を発表した。来年7月に水力と地熱の子会社2社の合併による新会社「東北自然エネルギー」(仮称)を発足させ、事業展開の中核とする。今後は太陽光、風力子会社も一元化し、再生エネルギー事業の拡大を図る。
 東北電グループでは現在10社が水力、地熱、風力、太陽光の各発電事業を展開。出力計約17万キロワットの供給能力を持つ。
 今回合併するのは、水力14カ所を手掛ける東星興業(仙台市)と、水力・地熱計4カ所を持つ東北水力地熱(盛岡市)。両社の出力は計約13万キロワットで、10社の約8割を占める。統合により、事業・財務基盤の強化に向けた中核会社とする。
 新会社発足後は、太陽光と風力の子会社の統合も順次進める。種類の異なる発電施設を持つことで、天候や自然環境に左右されない、安定した事業運営を図る。
 東北水力地熱については、株式のうち日本政策投資銀行が持つ25%を東北電が取得して完全子会社化した上で、存続会社は東星興業とする。
 東北電の海輪誠社長は「東北には再生可能エネルギーが豊富に存在する。多様な発電事業とノウハウを生かし、有効活用と導入拡大に取り組む」と話した。

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