東北電・6月の電気料金8565円 燃料価格高騰で過去最高更新へ

東北電力の6月の電気料金が、輸入燃料の価格変動を反映させる燃料費調整制度の上限に達することが20日分かった。標準家庭(契約電流30アンペア、使用電力量260キロワット)で過去最高の8565円となる見込みで、燃調制度に基づく価格転嫁はこれ以上できなくなる。ロシアのウクライナ侵攻などの影響で燃料価格の高騰はなお続くとみられ、東北電の収益を圧迫しそうだ。

 燃料費調整制度は過去3カ月の平均燃料価格に基づき、2カ月後の電気料金を決める仕組み。東北電の場合、2012年10~12月の平均燃料価格3万1400円を基準とし、それより高ければ電気料金に調整額を上乗せし、安ければ調整額を引く。平均燃料価格が基準通りの場合、電気料金は7662円となる。

 過去2年間の推移はグラフの通り。電気料金は21年1月に6746円(過去3カ月の平均燃料価格は1万7600円)だったが、翌月から16カ月連続で上昇し、今年5月は8536円(同4万6600円)になっている。

 電気料金に転嫁できる平均燃料価格の上限は、省令で基準燃料価格の1・5倍(東北電は4万7100円)と定められている。国が20日公表した3月の貿易統計の速報値によると、6月の電気料金に反映させる1~3月の平均燃料価格は4万7100円を超える見通しで、上限到達が確実になった。

 今後さらに燃料価格が上がっても燃調制度に基づく価格転嫁はできず、上限を超えた分は東北電の負担になる。燃調制度以外の価格転嫁の方法には電気料金の抜本的な値上げがあるが、樋口康二郎社長は過去の記者会見で否定している。

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