東北電力は1日、秋田県湯沢市の林業会社「北日本索道」など3社と新会社を設立し、秋田県内の2カ所に木質バイオマス発電所を建設すると発表した。燃料に県産材の木質ペレットを使用し、森林整備による林業振興と脱炭素化の取り組みを進め、地域資源の循環システム構築を目指す。
1日付で設立した新会社は「横手湯沢フォレストサイクル」(仙台市)。他に三洋貿易と太平電業(ともに東京)も出資した。東北電が輸入材を使わず森林資源の「地産地消」を前提に、木質バイオマス発電に参入するのは初めてとなる。
発電所は横手市と湯沢市に整備。出力はいずれも1980キロワットで、年間発電量はそれぞれ約1480万キロワット時を見込む。横手は2024年9月に着工し、26年6月の運転開始を予定。湯沢は24年10月に工事に入り、26年10月の運転開始を目指す。
発電電力は国の固定価格買い取り制度(FIT)に基づき、東北電力ネットワークに全量を売却する。
横手発電所には、年間2万トンの木質ペレットを製造する設備を併設。発電時に生じる熱を木材の乾燥に有効活用する。将来的には横手発電所に本社機能を移転させることも計画する。
東北電の担当者は、ペレット製造や発電所運営を地元企業に委託することで、15人程度の雇用を創出できるとの見通しを示し「地元発の再生可能エネルギーに地域の期待を感じている。脱炭素の取り組みを一体となって進めたい」と話す。