東北電9期ぶり赤字へ 22年3月期 燃料高騰でコスト上昇

東北電力は31日、2022年3月期の通期連結業績予想を下方修正し、純損益が230億円の黒字から450億円の赤字になると発表した。燃料価格の高騰によって市場での電力調達コストなども上がったため。最終赤字は東日本大震災後に3期連続となった13年3月期以来、9期ぶり。

 昨年7月の予想を修正。燃料価格の上昇が電気料金に反映されるまでの時間差で生じる差損益が大きく、売上高は1700億円増の1兆9800億円になるものの、経常損益が350億円の黒字から500億円の赤字になる。期末配当は20円から未定に変更した。

 樋口康二郎社長は同日の定例記者会見で「燃料価格の高騰に加えて、新型コロナウイルスの影響もまだまだ不透明。火力発電所の更新など構造的なコスト削減を進めつつ、スマート社会実現事業の加速により収益力を上げる」と述べた。

 大手電力では中部電力なども最終赤字となる見通しの一方、関西電力は最終黒字を維持している。樋口社長は「(関電は)原発を稼働していることで燃料価格の変動リスクを低減できている」との見方を示した。

 第3四半期(21年4~12月)の連結決算も公表した。売上高は前年同期比9・2%減の1兆3989億円で、同期としては2期連続の減収。経常利益は86・3%減の103億円、純利益は95・2%減の24億円。連結対象の子会社は52社。

 昨年1月の電力需給逼迫(ひっぱく)の際、事前に計画した供給量を確保できなかった新電力から東北電力ネットワークが受け取った「インバランス料金」について、その後に設けられた上限を超えたため還元する60億円を特別損失に計上した。

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