七十七銀行は、東北6県の2030年代までの経済成長率の予測調査をまとめた。人口減少の影響や、設備投資などが進まず資産の減少が予想され、30年代の成長率は山形を除く5県でマイナスとなった。
経済成長率を労働力、工場や機械などの総資産、技術進歩による生産性の向上の三つの変化率から分析。過去の実績から予測を導き出した。
各県の10年から10年ごとの経済成長率は表の通り。
10年代は、岩手、秋田の2県がマイナス成長となる。人口減の影響が大きい秋田はマイナス0.55%と大きく落ち込む。東日本大震災の復興需要が持続する宮城は1.47%で、最も高い成長率を示した。
20年代は岩手、秋田に青森が加わり、3県がマイナス成長になる。30年代は人口減少の影響が深刻化する上、資産の減少が予想され、5県でマイナスとなる見通し。
山形は唯一、30年代で0.74%のプラス成長を持続する。福島はマイナス成長ながらほぼ横ばいで、同行は「両県は製造業に厚みがあり、生産効率向上の伸びが高い。将来も経済成長の優位性を維持すると考えられる」と説明した。
1980年代の好景気時の技術進歩を加味した予測調査では、30年代でも宮城、山形、福島の3県がプラス成長となる。
マイナス成長を防ぐ打開策として、同行は(1)自動車関連産業や高度電子関連産業のさらなる集積(2)地域中核企業の育成(3)超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の誘致による新たな産業集積-を挙げている。