東北5県12署で路線価上昇 仙台3署と福島、2桁伸び

仙台国税局が1日発表した2019年の東北の52税務署別最高路線価(1平方メートル当たり)は、山形を除く5県の12署で上昇し、宮城、福島を除く4県の11署で下落した。上昇、下落とも前年より1署減り、変動なしが29署だった。仙台の3署と福島は2桁の伸び。青森、岩手、秋田、山形の4県は下落傾向が続くものの、秋田南署など上昇に転じた地点もあった。

◆青 森 

 県内の最高路線価は青森市新町1丁目「新町通り」で15万5000円。4年連続で価格に変動がなかった。市中心商店街の需要は低迷しているが、底値感から横ばいが続いている。
 税務署別では、むつが上昇。最高路線価の地点が、郊外型商業施設が集積するむつ市中央2丁目「国道338号通り」に替わった。八戸、弘前、十和田、黒石の4署は横ばい、五所川原は3年ぶりに下落した。

◆岩 手 

 県内最高路線価は28年連続で盛岡市大通2丁目「大通り」。飲食店を中心に新規需要が好調で2年連続の上昇となった。
 東日本大震災の復興で生活基盤の整備が進展した釜石は宅地需要が高まって上昇に転じた。大手企業の進出を受けて花巻は下げ止まり。中心市街地の空洞化が加速する水沢、一関は下落率が5.7%となった。
 標準宅地の県内平均は10年連続で下落した。

◆宮 城 

 最高路線価は仙台市青葉区中央1丁目「青葉通」で14.2%上昇の290万円。上昇率が最大だったのは青葉区本町2丁目「広瀬通」の15.9%だった。
 10税務署別では仙台中、北、南の3署のほか、石巻、塩釜、大河原の3署で上昇。塩釜の最高路線価の地点は13.9%上昇した多賀城市中央2丁目「多賀城駅北線通り」に替わった。4署は変動がなく、下落した地点はなかった。

◆秋 田 

 最高路線価の秋田市中通2丁目「秋田駅前通り」はピークの1992年から下落を続けていたが、27年ぶりに上昇した。秋田北、大館、本荘は前年と同じく横ばい。湯沢、大曲が横ばいから下落に転じ、能代、横手が前年に続き下がった。
 県内平均は1.2%下落。全国の都道府県別の下落幅で、昨年まで5年連続だった最下位を脱した。下落は10年連続だが、マイナス幅は1.1ポイント改善した。

◆山 形 

 山形市香澄町1丁目「山形駅前大通り」は、45年連続で県内最高路線価。市中心部活性化の動きを反映して25年ぶりに上昇した前年からは横ばいとなった。
 山形を除く税務署別では、前年下落だった米沢、鶴岡、新庄、長井の4署が横ばいになり、村山は前年と同じく横ばい。酒田と寒河江は横ばいから下落に転じた。県内平均は0.3%のダウンで、前年の0.5%下落よりやや改善した。

◆福 島 

 県内最高路線価は26年連続で福島県郡山市駅前1丁目「郡山駅前通り」。1.7%上昇の29万5000円で、上昇は6年連続となった。福島市栄町「福島駅前通り」は11.8%上昇の19万円。駅東口の再開発事業の本格化が影響したとみられる。
 10税務署のうち最高路線価が上昇したのは郡山、福島のみ。前年に上昇した白河、須賀川を含む8署は横ばいだった。県内全署で下落がないのは2年連続。

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