新型コロナウイルスの感染拡大で観光需要が落ち込む中、村井嘉浩宮城県知事は8日の定例記者会見で、4~9月の大型観光宣伝「東北デスティネーションキャンペーン(DC)」を予定通り開催する方針を示した。
村井知事は、大規模イベントをオンラインに切り替えるものの、実施自体に変わりはないと強調。「開催まで2カ月ある。(具体的な内容変更は)もう少し待ってほしい」と述べた。
宿泊費補助など県独自の観光振興策の必要経費を近く予算化すると表明。「経済関係者からは悲鳴にも似た声が届いている。まずは予算を組んでおき、収束の様子を見ながら執行したい」と語った。
政府はコロナの感染拡大を踏まえ、東北電力女川原発(宮城県女川町、同県石巻市)で本年度行う予定だった原子力総合防災訓練の中止を決めた。
村井知事は「コロナの収束後、住民参加の完全な形で行うべきだと国に伝えてきた。適切な判断だ」と評価した。
コロナの感染が収まらず、新年度も政府が訓練を実施できなかった場合、県独自の訓練を行うかどうかは「検討中。可能性はあるが、決まっていない」と述べるにとどめた。
コロナ対策の財源を捻出するための特別職の給与削減は、当初期限の3月でいったん終了し、年末の人事委員会勧告の結果に合わせると説明。「景気の冷え込みで厳しい減額勧告になると思う。その際の給与カットに足並みをそろえる」と話した。