東山紀之ジャニーズ新社長の冷酷 性加害拒否し冷遇された被害者をあたかも「嫉妬や知恵のなさ」と一蹴

9月7日、東山紀之新社長(56)、藤島ジュリー景子前社長、井ノ原快彦(47)らが臨んだ記者会見で、創業者のジャニー喜多川氏(享年87)の性加害問題の事実を認め、謝罪。被害者との対話や法を越えた救済、補償を進めていくとしたものの、再発防止特別チームが調査結果で指摘した“解体的出直し”にはほど遠いものだった。

 ジャニーズ事務所の名称継続、社長を退任したジュリー氏の代表取締役留任、さらには東山新社長自身の加害疑惑が浮上するなど、すっきりしない再スタートとなった。

 これまで“タレントには罪はない”というスタンスから、ジャニー氏の性加害問題が大きくクローズアップされてからも、ジャニーズタレントの出演に大きな支障はなかった。しかし、記者会見後、東京海上日動火災保険、日本航空、アサヒグループホールディングス、キリンホールディングスなど、大手スポンサー数社は、同事務所タレントが出演するCM契約に関して契約終了、広告起用の見直しを表明した。

「ジャニー氏の性加害問題を事務所が正式に認めたことによる大手クライアントの契約見直しですが、欧米でもし長年の性加害が発覚した場合、ジャニーズ事務所のように社長を挿げ替えただけの存続は許されない。故人の犯罪的行為とはいえ、ジャニーズを名乗り続ける以上、今後も厳しい視線が注がれ続けることになり、タレントの出演機会に大きなマイナス影響が出ることになるはず」(大手広告代理店関係者)

 ジャニー氏生前のタレントの出演機会に関して、再発防止チームが被害者23名からヒアリングをした結果、「ジャニー氏から性加害を受ければ優遇される。これを拒めば冷遇されてしまうという認識が広がっていたという供述が得られた」としているが、ジャニーズ事務所の認識はこれとは違ったものだった。

「本人の努力とファンの支持」だけで片づけていいのか

「噂が立ったことはあった」(井ノ原快彦氏)(C)日刊ゲンダイ
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 これまで長年放置され続けてきたジャニー氏の性加害と、タレントの出演機会の関係性に関して、ジャニーズ事務所側は記者会見で次のように述べている。

「本当にご理解いただきたいこととしては、そういうことがあって今スターになっているわけではなく、1人ずつのタレントが本当に努力して、そしてそれぞれの地位を勝ち取っているので、そこだけは本当に失望していただきたくないですし、誤解もしていただきたくないです」「並々ならぬ努力をそれぞれがして、それをファンの皆様が、彼らの努力をファンの皆様が認めてくださって、応援してくださって、それで今彼らがその地位についているので、何かそういうことがあったからセンターになったとかだからデビューできたということは、大変恐縮ですが、私がジュニアの成長に100%関われていなかったので断言はできませんが、今デビューした後の子たちを自分が担当する側になって見ていると、努力をしないでその地位にいる、人気がある子はいないと私は信じております」(ジュリー氏)

「やっぱり最終的にはファンの方に選んでもらうということだと思うんですね。だから、売れるというのはやっぱりたくさんのファンの人たちに認められるということですので、こればっかりは例えば『スターにしてあげる』と言ってピックアップされたところで、必ずなれるもんでもないと思うんですね」「やはり若さ故の嫉妬であるとか知恵のなさとかそういうこともあったのかなとは思います」(東山)

「噂は僕らの時は、僕もちょっとひがみみたいなところあったと思いますけど、 自分より一個先の人間に対して、そうなんじゃないかっていう噂が立ったことはあったと思いますが、だからといってやっぱりそういうことで優遇されて生き残っていけるかどうかは長い年月やってくるとわかるんですけど、努力が必要だと思います」(井ノ原)

 本人の努力とファンの支持なくしてスターへの道はないという彼らの指摘はその通りだが、それだけで片づけていいのかについては疑問が残るだろう。

「ジャニー氏自らがスターの原石をスカウトし、ジャニーズJr.として合宿所で生活する中でレッスンなどを受けさせ、ようやくデビューするしないという構図の中で、ジャニー氏の独断ですべてが決められていたのは周知のとおり。もし、少年たちが望まない性行為を強要し、拒んだことで出演の機会すら与えられなかったら、ファンの目に触れることもないでしょう。あたかも、売れなかった人間の妬み、僻みや努力不足を指摘する事務所の見解は理解に苦しむ」(芸能ライター)

 告発した被害者はこれまで、「うそつき」「デビューできなかったくせに」といった誹謗中傷に遭ってきた。これから話し合いや補償など具体的な話に移っていくが、事務所と被害者の認識のズレは果たして埋められるのか。

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