東日本大震災から1年半 34万人、なお避難生活

 最大震度7の激震が東北を襲い、巨大津波が街や浜をのみ込んだ東日本大震災から、11日で1年半となった。警察庁のまとめでは10日現在、死者は1万5870人、今なお2814人の行方が分からない。34万3000人が仮設住宅や民間の借り上げ住宅で避難生活を強いられている。被災地では、生活再建に向けた本格的な復興は緒に就いたばかり。集団移転やコミュニティー維持など課題が山積する。
 被災地では11日、沿岸部で行方不明者の集中捜索を実施。マグニチュード(M)9.0の地震が発生した午後2時46分には、一部の自治体で黙とうを呼び掛けた。犠牲者を追悼する催しも開かれ、時の流れの節目に住民らが手を合わせた。
 被害の大きい東北3県の死者は宮城9527人、岩手4671人、福島1606人。不明者は宮城1394人、岩手1205人、福島211人。
 全国の死者・不明者1万8684人に、体調を崩すなどした震災関連死1632人を含めると犠牲者は2万人を超えた。
 地域や暮らしの礎を築く防災集団移転促進事業は、岩手、宮城、福島の被災3県26市町村で約2万8000戸を対象に動き始めたが、災害公営住宅の着工は遅々として進まない。
 復興庁によると、県外への避難者は被災3県で7万900人。被災自治体は人口減少や地域再生、被災者の心のケアなどの問題に直面し、今もがれき処理や福島第1原発事故による被害、風評に苦しんでいる。

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