東松島「かんぽの宿、松島」 事業者公募

東松島市は、東日本大震災で被災した野蒜地区の「かんぽの宿 松島」について、修繕した上で宿泊施設として運営する民間事業者を公募している。施設は所有者の日本郵政から市が買い取り、事業者に譲渡する。締め切りは21日で、応募がない場合は取得を断念する方針。
 かんぽの宿は鉄筋4階、延べ床面積約7200平方メートル。震災の津波で2階まで浸水し、現在も休業している。
 市は災害時に住民らを受け入れる避難所の機能や、再開に伴う雇用の創出が見込めることから、宿泊施設としての利用を検討。日本郵政は被災施設を民間に譲渡できないという意向を示したことから、市がいったん購入し、事業者に譲渡することを計画した。
 修繕費用も事業者が負担することなどが条件で、募集は3日に開始。市によると、7日現在で名乗りを上げた事業者はいない。
 被災当初、修繕費用は約1億5000万円と試算されていた。その後、備品や配線が盗難被害に遭ったとみられることなどが判明し、約6億~7億円に増大している。
 阿部秀保市長は「市としては施設を有効活用したいが、事業者が現れなければ、現状のまま日本郵政に返すしかない」と語った。

タイトルとURLをコピーしました