東海テレビの元報道局記者(25)が3月10日、大阪府警にストーカー規制法違反と名誉毀損の疑いで逮捕されていたことが、「週刊文春」の取材でわかった。
「男性社員Aが交際していた女性につきまとい、インターネット上に彼女のプライベートな情報や画像を投稿した疑いがあり、逮捕されました」(東海テレビ社員)
Aは、2017年4月に東海テレビに入社し、報道局記者として、愛知県警などを取材していた。
「昨年、同じ名古屋にある別のテレビ局女性社員と男性社員が不倫していたと告発するツイッターのアカウントが開設されました。そこには二人のやりとりが詳しく記されていたのです。その後、女性は部署を異動になり、男性は懲戒解雇処分になった」(地元局関係者)
この女性と交際していたのがAだったという。Aはこの不倫暴露にかかわったと見られ、東海テレビから処分されていた。
「Aは会社の聞き取りの際、『私は投稿していない。友達に教えただけ』と否定しました。しかし、プライベートな情報を第三者に渡しただけでも問題だと判断され、譴責処分を受け、報道局から技術局へ異動になった」(前出・東海テレビ社員)
© 文春オンライン 東海テレビ本社 ©共同通信社
Aの母は、「週刊文春」の取材にこう語る。
「弁護士から逮捕されたと聞きました。息子は彼女とトラブルがあったのは事実だけど、そんな卑怯なことはしていない、と」
警察担当記者によると、「Aは逮捕5日後に釈放されました。ただ、府警は3月17日に東海テレビに任意の家宅捜索を実施し、Aの社用パソコンを押収するなど、捜査を継続しています。府警はリベンジポルノの容疑も視野に入れています」
社員が逮捕された事実を公表していないことについて、東海テレビはこう回答した。
「従業員のプライベートに属する事情であり、真偽を含め、弊社からの回答は差し控えさせていただきます」
そして、締め切り直前、A本人から記者に電話があった。
「犯人は別にいます。今はまだ報道しない方がいい」
中京地区の名門テレビ局・東海テレビで何が起きているのか。3月26日(木)発売の「週刊文春」では、この事件の背景にあった「リベンジポルノ」の疑い、Aの人物像、さらにAとおぼしき人物が昨年小誌に寄せていた「情報」、東海テレビ上層部と報道現場の対立などを詳報する。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年4月2日号)