東証、夜間取引市場の開設検討 午後7時~11時半の案有力

東京証券取引所が夜間取引市場の開設について検討に入ったことが11日、分かった。東証は、証券会社などの関係者から意見聴取を始めており、ニーズが高いと判断すれば2015年にも開く。ネット証券は以前から夜間市場開設を求めてきたが、店舗を持つ対面型の証券はコスト増につながるため慎重で、実現するかは微妙だ。
 夜間の取引時間には複数の案があるが、日付が変わる前の午後7時~11時半を軸に検討しているもようだ。夜間市場があれば、仕事を終えたサラリーマンがインターネットで取引できるほか、時差のある海外投資家の取引機会が増える。夜間の分が加わるため1日当たりの売買も増え、東京市場の存在感が高まる可能性がある。
 しかし、対面販売に力を入れる証券会社からみると、夜間も店舗を開けて顧客対応する必要に迫られ、コスト増につながりかねない。調査・分析部門の負担も増すことから、これまでも慎重な意見が多かった。
 東証は11年に取引時間を見直したが、夜間市場には否定的な意見が多く、昼休みを短縮するにとどまった。関係者は「さまざまな意見を聞いてニーズを見極めたい」としている。
 一方、ネット証券大手の松井証券は11日、東証を傘下に持つ日本取引所グループに対して、夜間市場の開設要望書を提出すると発表した。同社は03、04年にも要望書を出した経緯があり、「およそ10年が経過し、個人委託売買代金に占めるネット証券経由の比率は当時の60%から90%に上がった」と、ニーズの高まりを指摘。個人投資家の意識調査を行い、その結果を示しながら要望していく方針だ。

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