松島の歴史や伝説継承へ「語り部」26日設立

宮城県松島町の住民有志が、歴史や伝説を語り継ぐ「語り部の会」設立に向け準備を進めている。文化庁が4月、仙台藩主伊達家ゆかりの建造物などを日本遺産 として認定したのを契機に、時代を超えて愛される松島の魅力を見詰め直す。観光客への「おもてなし」の一環としても活動する。
町内で7月末に開かれた発起人会議には、地元のボランティア団体やNPO法人の関係者、元教員ら17人が参加。8月26日に発会式を開くことを決めた。
具体的な活動内容は今後詰めるが、瑞巌寺境内にある旧水主町民家を会場に月2回程度、地元の子どもたちや観光客相手にメンバーが交代で語ることを想定。発 起人代表で元町教育長の佐藤成之さんが2002年に自費出版した「こんな話が松島に」をテキストの一つとして使用する。
松島では、スマートフォンを観光スポットにかざすと昔の建造物や風景が映像として現れる仮想現実の手法が導入されているが、今回、住民有志が目指すのは聴覚に訴える昔ながらの語り。
松島には江戸期の伊達文化だけではなく、古代にさかのぼるさまざまな物語が伝わる。発起人の一人でボランティアガイドの今野勝正さん(71)は「語り部の活動はガイドとは異なる。松島独自の語り部の在り方を模索していきたい」と語る。
「語り部」として活動に参加する人を募集している。連絡先は円通院内の事務局022(354)3206。

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