松島の観光客200万人割れ 20年、震災時下回り過去最少

日本三景松島で知られる宮城県松島町の2020年の観光客入り込み数が160万7172人にとどまり、統計の残る1989年以降で過去最低だったことが18日、町の調査で分かった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で2019年比46・1%減となり、初めて200万人を割り込んだ。宿泊者数も19年比40・3%減の34万361人に落ち込み、過去最低を更新した。

 観光客入り込み数のこれまでの最少は、東日本大震災が起きた2011年の223万7798人。20年は63万人以上も下回り、最も多かった1991年の525万7000人の30・6%にとどまった。
 前年と比較した20年の月別の入り込み数はグラフの通り。1、2月は19年同月を上回ったが、国内で感染が広がった3月に急落。4月上旬に休業が広がり、大型連休で書き入れ時の5月は19年比97・9%減の6708人に落ち込んだ。
 その後、7月に始まった政府の観光支援事業「Go To トラベル」もあって右肩上がりで増加し、11月は19年同月の89・2%まで回復したが、12月はGoToの全国一時停止で再び72・8%に減少した。
 宿泊者数の推移もおおむね同じ傾向で、20年5月は19年比98・4%減の708人となったが、11月は19年同月の93・9%に回復。12月は69・5%に低下した。
 町産業観光課の太田雄課長は「春先までに感染が落ち着かないと、今年はさらに数字が悪化し、観光関連業者の経営が厳しくなる。県に現状を訴え、国に支援策を働き掛けてもらえるようにしたい」と話した。

タイトルとURLをコピーしました