柳沢2発、銀次がハット 仙台で慈善サッカー

 東日本大震災の復興支援を目的にした慈善試合「チャリティーサッカー2014」(日本プロサッカー選手会主催)が14日、仙台市のユアスタ仙台であった。被災地からの招待客約4000人を含む1万1475人の観客が詰め掛け、華やかなプレーの数々を楽しんだ。東北ゆかりの選手を集めた「東北ドリームス」が、現役の日本代表らでつくる「JAPANスターズ」と対戦。東北が12-8でJAPANを破った。
 東北は、今季限りで現役を引退する元日本代表のFW柳沢敦(J1仙台)が2得点と活躍。昨年に続き始球式でボールを蹴ったプロ野球東北楽天の銀次選手(岩手県普代村出身)もピッチに立ち、ハットトリックを達成した。
 JAPANはMF武藤嘉紀(FC東京)が先制点を含む3点を奪った。さらに監督を務めた元日本代表FWの武田修宏さんが後半途中出場し、2得点で会場を沸かせた。
 東北のMF小笠原満男(鹿島、岩手・大船渡高出)が選手会を代表し、「震災で被害を受けた方の力になりたいと選手が集まった。試合でのプレーが被災者の心に響いたと信じている。一日も早い復興を願う」とあいさつした。
<柳沢「復興支援、長く続けたい」>
 東北ドリームスの柳沢(仙台)が2点を決め、現役生活の最後を華々しく締めくくった。波瀾(はらん)万丈だったサッカー人生の緊張感から解放され、「今までとは違い、楽しめた」と自然と頬が緩んだ。
 3点を追う前半15分、反撃の口火を切るゴールを挙げ、憧れの三浦(横浜C)をまねてカズダンスを披露した。「一度はやってみたかった」と会場を盛り上げた。
 仙台へ移籍した直後に震災を経験した。「復興支援活動を続けるのは簡単ではないが、長く続ける努力をしていきたい」と、被災地への思いを口にした。
 銀次(東北楽天)「(ハットトリック達成に)みんながボールを集めてくれたおかげ。(プロ野球では)1試合3打点もなかなかないのに、びっくりしている。岩手県出身者として、これからも被災地の支援をしっかりしていきたい」
 MF松下年宏(横浜C、元仙台)「仙台に戻ってきて、食事が満足に取れなかったことや、移動が大変だったことなど、震災直後の生活を思い出した。風化させない大切さをあらためて実感した」
 GK西川周作(浦和)「今回初めて被災地を訪れ、感じるものが多かった。自分たちにできることはいいプレーをすること。元気を与え続ける存在でありたい」

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