柳美里、あの老舗雑誌の原稿料未払いを告発 他にも被害者多数「催促したら逆ギレされた」

作家の柳美里氏が、自身のブログで衝撃の告白をした。雑誌「創」(創出版)の連載エッセイ『今日のできごと』が休載になった件を受けて、過去数年にも及んで原稿料が未払いになっていたことを明かしたのだ。9月、柳氏は意を決して同誌編集長に「稿料未払い分を計算して、振り込んでください。全額振り込まれるまで、次の原稿を書くことはできません」とメールすると、編集長から次のような返答があったという。
「返信が遅くなって申し訳ありません。ショッキングなメールでしたので、考える時間が必要でした。おっしゃること、もっともだと思います。何とかしようとは思っているのですが、大変な時期に力になれずにいて申し訳ありません」
 執筆者から寄せられた未払い分原稿料の催促を“ショッキング”と表現することには違和感を抱かざるを得ないと語るライターも、過去に「創」による原稿料未払いの被害に遭いそうになったことがあると明かす。
「『創』は、もう何年も前から赤字であり、原稿料の未払いも数え切れないほどあるという情報が耳に入ってきています。芥川賞作家である柳氏に対してですらこの扱いですから、若手ライターの扱いは推して知るべしでしょう。実際、複数のライター仲間からも『創』が原稿料を払ってくれないという声を聞きます」
 このライターは、以前未払い原稿料を催促した際の「創」の反応について、次のように明かす。
「編集長から、『ウチは金がなくてもがんばっている。自分の給料を切り崩してまでやっているんだ。それなのに、なんてこと言うんだ!』と逆ギレされました。これが、『創』の基本的な考え方です。柳氏への返答でも、その片鱗を見せていましたね。私の場合は催促の末、ようやく原稿料が振り込まれましたが、こちらから催促しないと一生未払いのままだと思います。半年以上未払いが続いていたのに、編集長は『こちらのことも理解してくれ』と最終的には恨み節を言っていましたけどね。私はもう二度と『創』の仕事しないと決めています」
●原稿料の金額が二転三転
 それにしても気になるのが、数年分たまった柳氏への未払い原稿料の金額だが、柳氏クラスになればかなりの金額になるとも考えられる。
「私の場合、原稿執筆前に提示された金額、催促した直後に言われた金額、最終的に支払われた金額がすべて異なりました。要するに、『催促されたら、その時に考える』というスタンスであり、法に触れる行為に当たる可能性もあると思います」(同)
「創」がこのような事態の陥っている理由について、出版社関係者は次のように語る。
「会社を支えていた『マスコミ就職読本』の売れ行きが、インターネット上に無料の情報があふれ始めた2000年代に入って以降減少し、それに代わる収益柱を見つけられていないためだと出版業界ではいわれています。『創』はまだ存続していますが、もちろん雑誌の存続のために執筆陣を“タダ働き”させることは許されるべきではありません」
 今後、「創」と柳氏をめぐる騒動はどのように決着するのか。気になるところである。
(文=編集部)

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