靴の国際大会で最高賞を受賞した柴田町出身の靴職人三沢則行さん(34)の初の個展が、東京の銀座の新井画廊で開かれている。25日まで。
底に3000本の真ちゅうくぎで装飾を施した靴や、細かな模様を付けた革に金箔(きんぱく)を張ったサンダル、ヒールと家具の台座を一体化したようなオブジェなど、奇抜な意匠の革靴8点が展示されている。
いずれもインテリアとしての性格が強い作品ながら、オーダーメードの革靴作りで培った高い技術によって丁寧に仕上げられている。どれも完成まで数カ月から半年掛かったという。
白石高在学中に革靴の魅力に引かれた三沢さんは東北学院大卒業後、東京やオーストリアの靴工房などで修業を積んだ。2010年、ドイツで開催された国際靴技能コンテストに、繊細なビーズの飾りを施した作品を出品し、最高賞の「名誉賞」を獲得した。
帰国後は都内に工房を立ち上げ、革靴の注文を受ける傍ら、靴をベースにした芸術性の高い皮革工芸品づくりに励んでいる。三沢さんは「靴は履かずに飾っても絵になることを多くの人に知ってほしい」と話している。入場無料。