柿の食べすぎがNGの理由 冷えや便秘の原因にも 適量と相性の良い食品は?

日本の秋を代表する果物の一つといえば、柿。「柿が赤くなると医者が青くなる」ということわざは、秋の過ごしやすい天候で体調を崩す人が少なくなることと柿の豊富な栄養を言い継いできたものといわれています。ただし、食べすぎには注意が必要。そのリスクや柿と相性が良い食品などについて、栄養士の和漢歩実さんにお話を伺いました。

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「二日酔いの朝に柿」 栄養豊富な果実

 ビタミン類が豊富な柿は、風邪が気になるこれからの季節にぴったりの食材です。特にビタミンCが豊富で、ミカンなど柑橘類の約2倍も含まれています。さらに目や鼻の粘膜を強くするビタミンA(カロテン)もたっぷり。またカロテノイド系色素の一種であるクリプトキサンチンとリコピンには、抗がん作用があるとされています。

 渋みのもとであるタンニンにアルコールを分解する作用があることから、二日酔いの朝に柿を食べると良いとの伝承も。余分な水分や塩分を排出するカリウムも含み、利尿作用も期待できます。腸内環境を整える食物繊維も豊富なので、ヨーグルトなど発酵食品との相性が良いでしょう。

 また柿は、葉の栄養にも注目が集まっています。ポリフェノールの一種アストラガリンに抗アレルギー作用があるとされ、柿の葉を煎じてお茶として飲むことで花粉症や生活習慣病の予防などが期待されます。

食べすぎると起こり得るリスク 1日どのくらい?

 栄養豊富でおいしい柿ですが、食べすぎには注意が必要です。糖質の摂りすぎにもなりますが、次の3つのリスクも起こり得ます。

○体を冷やす
 柿は体を冷やすといわれています。冷えが気になる人は注意しましょう。大量に食べると、下痢につながることもあります。

○便秘にも
 柿のタンニンは腸のぜん動運動を低下させるため、過剰に摂取すると便秘を引き起こします。旬の時期に大量に手に入ったからといって、一度にたくさんの量を食べることは控えましょう。

○柿胃石
 柿を大量に食べ続けると、胃に石ができてしまうことがあります。腹痛や吐き気、さらには腸閉塞になって手術の必要性が生じることも。柿のタンニンが胃酸と混ざることによって、食物繊維を巻き込み石になるといわれています。

 成人が1日に食べる柿の量としては、1個を目安にすると良いでしょう。栄養があるからといって、一度に大量に食べることはおすすめできません。バランスの良い食生活が大切です。適量をおいしくいただきましょう。

 旬の時期に大量の柿が手に入った場合は、ヘタを乾燥させないようにすると長持ちします。水で濡らしたキッチンペーパーなどをヘタに当て、ヘタを下にしてポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。熟しすぎたものは冷凍庫へ。シャーベットのようになりおいしくいただけますよ。

Hint-Pot編集部

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