栗っこ農協(栗原市)の精米施設が、食品衛生の管理方法を定めた「精米HACCP(ハサップ)」認定を3月に取得した。国際基準に沿った精米によって、高品質で安全な栗原産米を売り込みたい考え。
都道府県単位でない地域農協の認定取得は、みなみ魚沼(新潟県南魚沼市)などに続き全国4例目、東北では初めて。
精米施設は栗原市高清水の南部倉庫に2018年に整備した。延べ床面積は約390平方メートル。強い圧力で精米する一般的な方法ではなく、弱い圧力で3度精米して食味の低下を抑える設備を導入した。整備費は約1億4000万円。
さらに、玄米の搬入から白米の出荷まで品質管理や安全管理などを徹底するハサップ基準の作業手順を取り入れた。
5月の連休明けにも、同施設で精米した商品にハサップ認定マークを表示する。主な出荷先は、関東、静岡県の農協、栗原市の学校給食センターなどで、年1800トンの出荷を目指す。
ハサップ認定の取得は、ハサップ順守を制度化した昨年の食品衛生法改正を受けて決めた。栗っこ農協の吉尾三郎組合長は、「宮城県北の5農協合併で誕生する新農協のコメの品質管理モデルとして活用できる」と語る。
精米ハサップ認定機関の日本精米工業会(東京)によると19年4月1日現在、全国で124施設を認定した。他産地との差別化や海外輸出を目的とする事業者の取得が多いという。19年度は40施設程度が認定取得を計画しているという。