栗原・旧花山村の人口1000人割れ 平成大合併前の宮城県内71町村で初

宮城県栗原市の旧花山村の7月末時点の住民基本台帳人口が998人(男471人、女527人)となり、1000人を割り込んだことが1日分かった。6月末時点の1007人から9人減少した。「平成の大合併」前、宮城県にあった旧71市町村で1000人を下回ったのは初めて。栗原市全体の人口は6万7528人。
 旧花山村の人口の推移はグラフの通り。終戦後は人口が増え続け1955年に4480人に達した。
 人口減に転じたのは、58年の花山ダム完成による住居移転。168戸が転居し、60年までの5年間で人口の16%に当たる698人の大幅減となった。
 その後も、若者の流出による社会減と高齢者の死亡による自然減の傾向は続いた。10町村の大合併で2005年に栗原市となった以降も、雇用の場の減少などから転出が再び増加。16年度末には人口が1100人を割り込んだ。
 旧村内では、地域自治の取り組みが進む。住民有志でつくる一般社団法人「はなやまネットワーク」は、移動販売車による高齢者の買い物支援、高齢者世帯に食事を届けるサービスなどを展開する。地域おこし協力隊など若者の転入も相次ぎ、13年度以降の転入者は計21人に上った。
 一方、65歳以上の高齢化率は7月末時点で52.0%。過去10年の出生数は1桁台で、17年度はゼロだった。千葉健司市長は「超高齢化した地域の自然減に、若者の移住など社会増が追い付かなかった」と語る。
 宮城県内の住民基本台帳人口は、平成の大合併前の旧市町村では石巻市の旧雄勝町が1235人(6月末時点)で旧花山村に次いで少ない。現在の35市町村では七ケ宿町が1389人(7月末時点)で最少。

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