栗原市が「三峰工業団地」造成へ 企業誘致受け皿に

宮城県栗原市は大規模工場用地の不足を解消するため、築館萩沢土橋に「三峰工業団地」を造成することを決め、2012年度に設計作業に入る。12年度当初予算案に事業費約7000万円を計上し、用途区域を変更して基本設計と実施設計を行う。造成開始は13年度の見込み。
 三峰工業団地は総面積17.9ヘクタール。分譲面積は10ヘクタール前後になるとみられる。事業規模は10数億円に上る見通し。東北自動車道築館インターチェンジから3キロ、JR東北新幹線くりこま高原駅から4.5キロに位置し、交通条件が整う。
 現在は主に雑木林で、都市計画法上の用途区域は第1種中高層住居専用地域(一部が第1種低層住居専用地域)。このため市は、見直し中の用途区域と都市計画道路の全体計画に同団地を盛り込み、12年内に開かれる市と県の都市計画審議会で用途区域変更の承認を得たい考えだ。
 市内では、企業誘致の受け皿になる大規模用地が不足している。最近は進出意欲が高い自動車関連企業の誘致競争で、一関市や登米市など近隣自治体に先行されるケースも出ている。企業進出の動きに迅速に対応するため、大規模用地の準備に乗りだす。
 栗原市は新工業団地について、トヨタ自動車系の完成車工場の関東自動車工業岩手工場(岩手県金ケ崎町)、セントラル自動車(大衡村)の中間点に位置することをアピール。充実した高速交通網、隣接する東北職業能力開発大学校との連携も強調し、他の工業団地との差別化を図る。
 市は「東北の完成車の年間生産台数が50万台を超えれば、サプライヤー進出の動きも加速する。ものづくり企業を中心に誘致し雇用拡大に結びつけたい」と話している。

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