校長室の金庫から33万円盗む 容疑の小学校教諭を逮捕 奈良

奈良県警奈良西署は17日、奈良市立富雄北小学校(同市富雄北1)の金庫から現金33万円を盗んだとして、同校教諭の東浦悠真(ゆうま)容疑者(25)=同県大和郡山市新町=を窃盗容疑で逮捕した。調べに「お金を取ったことは間違いない。借金返済のためだった」と容疑を認めているという。

 逮捕容疑は4月23日から5月7日にかけ、校長室の金庫に保管されていた6年生の修学旅行の小遣い計33万円を盗んだ疑い。同署によると当時、金庫の鍵は職員室の壁に掛けてあり、誰でも自由に持ち出せる状態だったという。

 学校側は5月7日に現金がないことに気付き、9日に奈良西署に被害届を出した。金庫からはこれとは別に教育実習教材費など約5万円も無くなっており、同署は東浦容疑者が関わっている可能性があるとみて捜査を進めている。

 修学旅行は5月23、24日にあり、学校は教職員のカンパで被害分を賄っていた。

 ◇事件後も通常通り勤務 学校側が記者会見

 東浦容疑者の逮捕を受け、奈良市教委と富雄北小が17日、急きょ記者会見を開いた。

 後藤誠司校長らによると、東浦容疑者は2016年4月から同校で勤務。5年生の担任で、学年会計として金庫の鍵の場所は知る立場にあったという。

 学校は事件発生直後から、全教職員に対して聞き取り調査をしていたが、東浦容疑者は「全く知らない」と関与を否定していたという。事件以降も通常通り勤務していたが、17日朝に県警から「東浦先生に事件のことで聞き取りをしたい」と連絡があり、同日は欠席した。

 会見で後藤校長は「一日も早く信頼回復に向けて一層の努力をしていきたい。本当に申し訳ない」と謝罪した。学校は17日夜に全校生徒の保護者を集めた説明会を実施する。翌18日朝には、同校児童らに対しても説明集会を開く。被害金は、教職員らのカンパでまかなったが、今後、東浦容疑者に請求するという。

 事件後、学校は校内に行事費や教材費などの現金を置かないキャッシュレス化を実施。支払いについては、全て銀行振り込みなどで対応するようにした。また児童への心理的な影響を考慮し、カウンセラーの設置も検討しているという。【小宅洋介、加藤佑輔】

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