【ニューヨーク時事】20日に国連本部で署名が始まった核兵器禁止条約の署名国数が同日午後(日本時間21日朝)、50カ国に達した。また、タイなど3カ国は既に条約を批准した。国連事務局が明らかにした。核兵器の保有や使用などを違法とした「歴史的な条約」(グテレス国連事務総長)の発効は50カ国の批准が要件で、実現に向け大きく前進した。
20日午前(日本時間夜)に行われた署名式では40カ国以上が署名。その後も署名が続き、初日だけで50カ国に到達した。今後も署名国は増える見通し。また、国内での批准手続きを済ませたタイ、南米ガイアナ、バチカンの3カ国が20日、批准書を国連に寄託した。条約が採択された7月の国連会議では非核兵器保有国の122カ国が賛成票を投じている。
田上富久・長崎市長は署名式後、記者団に「早く発効することも条約に一つの力を与えることになると思う」と述べ、早期発効に向け、平和首長会議のメンバーと協力しながら各国に働き掛けていく考えを示した。
河野太郎外相は20日、ニューヨークで記者団に署名しない方針を改めて表明した上で、「唯一の戦争被爆国であるわが国はさまざまな分断を乗り越えてこの核軍縮、核廃絶に向けて世界が歩みを進めるように努力してまいりたい」と述べた。