自民、公明両党は8日、2017年度与党税制改正大綱を決定した。
焦点だった所得税の配偶者控除見直しでは、18年1月から配偶者(主に妻)の年収要件を現行の103万円以下から150万円以下に引き上げ、女性の就労を促す。これを皮切りに、収入が多いほど税負担の軽減効果が大きくなる所得控除方式を見直すなど、格差是正に向けた同税の抜本改革に取り組む方針を明記した。
海外移住後10年まで課税=富裕層の税逃れ対策-税制改正最終案・自民税調
今回の改正に伴い、平年度ベースで300億円規模の減税となる。内訳は国税が200億円、地方税が100億円の減税。自民党税制調査会の宮沢洋一会長は「数年かけて所得税改革を実現する1年目のスタートが切れた」と強調した。
具体的には、今後、課税額から一定額を差し引く税額控除や一部に課税しない「ゼロ税率」など低所得者に配慮した仕組みを検討する。第1弾の改革と位置付ける配偶者控除の見直しでは、夫の年収から38万円を一律で差し引く対象となる妻の年収を150万円に拡大。150万円超から201万円までは控除額を9段階で減らす仕組みとし、世帯の手取り収入が急に減らないようにする。
一方で対象拡大による税収減を防ぐため、世帯主(主に夫)の年収制限を新設。1120万円以下なら38万円差し引くが、控除額は1120万円超で26万円、1170万円超で13万円に下げ、1220万円超でゼロにする。個人住民税の配偶者控除も同様に見直し、19年6月から適用する。