岩手県北上市の桜の名所、展勝地公園の桜並木で29日、江戸時代の花街の行列を再現した「黒沢尻歌舞伎さくら道中」があった。ピンクに色づいた花と、華やか衣装のおいらんの競演に、見物客から大きな歓声が上がった。
遊女などに扮(ふん)したのは、村歌舞伎の伝承に取り組む同市の黒沢尻歌舞伎保存会のメンバー約40人。傘持ちなどを引き連れ、250メートルの並木道を30分かけてゆっくりと練り歩く姿に、観光客らは盛んにシャッターを切っていた。
さくら道中は「北上展勝地さくらまつり」の一環で、ことしで11回目。さくらまつりは5月6日まで開かれ、期間中は北上川での観光遊覧船の運航や鬼剣舞の公演などが行われる。
◎米沢では上杉まつり
桜の満開の時期に合わせて戦国時代の歴史絵巻を繰り広げる「米沢上杉まつり」が29日、山形県米沢市の上杉神社そばにある伝国の杜前広場で始まった。5月3日まで。
29日は開幕祭が行われ、市民らによる勇壮な上杉太鼓や舞踊、民踊流しなどが披露された。
松川河川敷で2日午後6時半、上杉謙信が行った出陣の儀式「武〓式(ぶていしき)」を約140人の甲冑(かっちゅう)姿の武者が再現する。
クライマックスは3日午後2時の「川中島合戦」。松川河川敷で上杉謙信、武田信玄の両軍約820人が戦いを繰り広げる。謙信と信玄の一騎打ち「三太刀七太刀」の場面が最大の見どころだ。
まつり実行委は期間中、28万人の人出を見込んでいる。
(注)〓は「示」ヘンに「帝」