石巻市十八成浜(くぐなりはま)地区の住民らでつくる「十八成ビーチ・海の見える丘協議会」は24日、東日本大震災で被災した地区を花で彩る「桃源郷プロジェクト」で桜を植樹した。
協議会と「岐阜さくらの会」(岐阜市)のメンバーら約10人が海を望む丘陵地の斜面に、高さ約3メートルの3年物のヤマザクラを植えた。今春には花を咲かせるという。
さくらの会は、伊藤謙介事務局長(64)が十八成浜地区を支援するNPO法人「愛知ボランティアセンター」(名古屋市)に協力している縁で桜を寄贈した。昨年12月と今回で、約600平方メートルに30本が植樹された。
地域再生の願いを込めたプロジェクトは地名の数字にちなみ、1800本の桜とアーモンドで桃源郷をつくる計画。花が桜に似ていて実の活用も見込めるアーモンドは、被災地支援のオーナー制度を採っている。
プロジェクト代表の阿部栄悦さん(62)は「地区の高台で造成が進んでいる住民の防災集団移転に合わせ、移設される県道沿いを桜並木にしたい」と構想を描く。
さくらの会は1993年から、国内外で植樹活動を展開している。伊藤事務局長は「これからも十八成浜を応援していく」と約束した。