政府は、森林整備の経費に充てる「森林環境税」について、自治体間での配分を見直す方向で検討に入る。税収の多くが都市部に配分される制度になっているため、本来の目的にあわせて山間部への配分を手厚くする。年末の税制改正での実現をめざす。 【写真】「森林環境税」とっても余る? 見直し論も 林野庁が税制改正要望に盛り込む。森林環境税は、住民税に年1千円を上乗せして集める。税収は年600億円程度を見込み、全額を市区町村と都道府県に配る。森林環境税の徴収は来年度からだが、自治体への配分は別の財源を元手に2019年度から先行して始まっている。 配分額は、50%を森林面積(私有人工林)、30%を人口、20%を林業就業者数を基準に決まる。今回、この配分基準の見直しを検討する。人口の割合を下げ、森林面積の割合を上げる案が有力だ。具体的な割合は年末の自民党税制調査会の議論で決めるが、変更される配分額は少なくとも数十億円になる見通しだ。