植物油が寿命を縮める――。研究生活50年の脂質生化学者が出した「本当は危ない植物油」が話題になっている。
著者の名古屋市立大名誉教授・奥山治美氏が言う。
「植物油は健康にいいといわれていますが、動物実験で環境ホルモン作用が働いていることが分かっています。オスがメス化するなど生殖に影響を及ぼしています」
リスクが高い順に解説してもらった。
▼1位 マーガリン(キャノーラ油や大豆油)
「脳卒中促進効果や、内分泌撹乱(かくらん)作用がもっとも強い」
▼2位 キャノーラ菜種油
「1位ほどではないが、脳卒中促進効果、内分泌撹乱作用が強い」
▼3位 パーム油
「マウスの寿命短縮や発がん促進などの作用が報告されている。市販のケーキやクッキーによく使われています。昔はバターを使用していたのですが、パーム油であればコストが数分の1の値段で済む。味ではわからないため、表示を確認してください」
▼4位 リノール酸の割合が高い油
「大豆油、コーン油、米油が該当します。『リノール酸はコレステロールを下げるので善玉』という説がありましたが、実はリノール酸の普及後、心臓病が増えています。そのため、リノール酸を中和するα―リノレン酸とのバランスが問題になる。例えば、大豆油はリノール酸が58~60%、α―リノレン酸が4~8%しかないため、オススメできません」
植物油脂でも「シソ油・エゴマ油」「亜麻仁油(フラックス油)」は健康にいいという。
一方、意外にも動物油脂は体にいい。
「魚油は炎症性疾患予防に有効です。バターはリノール酸が少なく、動物実験では安全性が極めて高い。脳卒中予防効果が期待できます」
“常識”を疑ったほうがいいということか。