植物細胞が融合「教科書書き換える発見」…名大

 名古屋大学の丸山大輔特任助教(植物生理学)らの研究グループは、植物の細胞が融合する現象を新たに発見したと発表した。

植物の細胞は硬い細胞壁に覆われているため、卵細胞の受精といったケースを除き、細胞同士が融合することはないと考えられており、「生物学の教科書を書き換える発見」という。研究成果は23日付の米科学誌「セル」電子版に掲載される。

植物は雌しべに受粉すると、花粉から管を伸ばし、種子のもとになる組織「胚珠」へ精細胞を届ける。この際、卵細胞の隣にある「助細胞」が、花粉管 を正確に胚珠へ導くための誘引物質を分泌する。研究グループは、受精後、助細胞が分泌をやめる仕組みを解明するため、シロイヌナズナをレーザー顕微鏡で観 察した。発表によると、受精後、胚へ栄養を供給する細胞「胚乳」が作られると、胚乳は隣り合う助細胞と融合。この融合により、助細胞が分泌機能を失うこと を確認した。

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