「業務スーパー」のフランチャイズ(FC)店舗運営会社の社長が、会社の預金口座から従業員の賃金の原資となるお金を勝手に引き出したうえに音信不通となり、賃金が不払いになる可能性が浮上している。
社長は毎月、数百万円の役員報酬を得ていながら、会社資金の私的流用を重ねて経営を悪化させ、従業員のボーナス減額や倒産を行おうとしていた。
社長による会社資金の持ち逃げを受けて、従業員たちが給料の原資を確保するために自ら経営と店舗運営に乗り出すという異例の事態となっている。
今月18日から、北海道の業務スーパー7店舗はストライキにより店舗休業。
しかし25日の給与支払い日を目前に社長は会社の口座にあった資金をほぼ全額引き出し、音信不通状態に。
労働組合のサポートをしている、東京東部労働組合の須田光照書記長はいう。
「労働組合は社長に対して賃金を支払うことを確約するよう要求書を送付しましたが、無視されており、従業員に給料が支払われない可能性が出ています。そのため、従業員は給料の原資を確保するためにストライキを中断し、24日から店舗の営業を再開させました」
「ですが、社長は業務スーパーの本部に対して勝手に破産の方針を伝えてしまったため、本部からの商品の入荷はストップしたままであり、在庫がなくなれば再び休業となる可能性があります。また、もし25日に給与が支払わなければ、刑事告訴含めて法的手段の検討を進めることになります」
異例の事態となっている業務スーパー。
従業員がしっかり守られるのか、今後の動きに注目が集まる。