業界も注目する古参の倒産、優良パチンコ業者でも淘汰が始まる!?

パチンコホール経営業者の倒産が増えている。2016年の倒産件数は13件だったが、17年は21件、18年は26件だった。26件というのは過去5年で1番高い水準であり、19年は「さらに増えるのでは?」との声も聞かれている。

 こうしたなか、パチンコホール経営業者の仙都サービスが倒産した。直近決算の18年10月期は年売上高約7億3700万円、負債額は約11億3200万円。決して大規模な倒産ではないが、現在のパチンコホール業界を象徴する倒産で、業界内で注目されている。

 同社は1969年9月設立。業界内では古参で、パチンコブーム最中の90年代には年売上高約70億円を計上する優良企業だった。

 だが、景気後退や5号機問題の規制強化の動きでブームが衰退し、業績が悪化。業績回復を目指し、新台入れ替えなどによる集客力の向上、設備導入で経営の効率化を図ったが、ジリ貧が続いた。

 設備投資に充てた資金借り入れで金利負担が膨らんだほか、売り上げ減少によるキャッシュフローの悪化が資金繰りを枯渇させた。2018年頃から税金を滞納するようになり、19年2月27日に事業を停止し、28日に破産手続き開始決定を受けた。

 こうした栄枯盛衰は、同社に限らず多くのパチンコホール経営業者が迎えており、同様のパターンで過去の優良業者が淘汰(とうた)されていくのではないかという声が聞かれている。

 売り上げが落ち込んでいたとしても、資産があるうちに廃業、不動産賃貸業者への転業ができれば良いが、ホール経営のジリ貧が続くなか、債務超過に陥り倒産するというケースも増えてきている。

 パチンコホール経営業者の倒産ピークは07年と08年。それぞれ年間72件の倒産が発生した。あれから約10年の時を経て、再び危機が訪れるのではないかとの不安を感じている業界関係者は多い。
(文=帝国データバンク情報部)
<企業情報>
仙都サービス(有)
住所:仙台市宮城野区鶴ケ谷字京原175
代表:西原廣文氏
設立:1969年9月24日
資本金:1000万円
業種:パチンコホール経営売り上げ:約7億3700万円(18年10月期)
負債:約11億3200万円

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