楽天、無料通話に参入 スマホ向け「楽天でんわ」拡張 来春にも

 楽天グループは来春にも、インターネットを利用した無料通話サービスに参入する。
 子会社のフュージョン・コミュニケーションズが提供しているスマートフォン(高機能携帯電話)向け割安通話サービス「楽天でんわ」の機能を大幅拡張し、利用者間で無料通話を可能にする。既存のIP電話サービスとも統合し、用途に応じて使い分けられる通話サービスの“ワンストップ化”を実現する。
 5日にサービスを開始した楽天でんわは、フュージョンが保有する基幹網と携帯電話事業者のネットワークを相互接続して、スマホの通話が通常の30秒21円の半分となる10・5円で利用できる。初期費用や月額基本料などは一切なく、登録してアプリをダウンロードすればすぐに利用できる。
 フュージョンは、用途に応じた通話サービスを選択できるようアプリの機能を拡張。利用者間の無料通話を実現するため「LINE」などと同じインターネットのパケット通信機能を活用した無料通話サービスを来春をめどに始める。また、春以降には050から始まるスマホ向けIP電話サービス「スマートーク」(30秒8・4円)も楽天でんわのアプリから利用可能にする方向で検討している。
 実現すれば、スマホの電話番号がそのまま表示される楽天でんわのほか、利用者間で無料通話ができるうえ、「050」発信のスマートークで別な電話番号も使えるようになる。
 「携帯大手3社のスマホの通話料金は横並びで30秒21円なのは高すぎる」(国重惇史楽天副社長)との利用者の不満を反映し、楽天でんわは提供後3日で登録数が10万件を超えたが、その後は伸びが鈍化。16日時点で二十数万件とみられる。楽天はサービスの機能拡張で利用者増を目指す。

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